症例紹介

誤食 中毒編<ねぎ・チョコ・キシリトールガム>

病気の紹介

<ねぎ・たまねぎ>

色々な人間の食べ物に含まれている。どのくらいの摂取量で中毒を起こすかは個体差があるようです。

中には、みじん切りしている匂いで症状を呈する子もいます。

猫は犬よりも感受性が高いです。ネギ毒は溶血などの毒性を示し、熱の影響を受けないので、加熱処理をしても毒性に変化はありません。

中毒量は体重の0.5%と言われています

摂取数日後に血尿や貧血などの症状が見られます

<チョコレート>

これもまた、ネギと同じく個体差があるようです。犬は甘党なので、好きな味なのでしょう。

中毒物質は、テオブロミン、カフェインで、カカオ含有量が多ければ多いほど中毒症状は出やすい。

症状は、軽いもので嘔吐・下痢、興奮、重症化すると心悸亢進、不整脈、発作、死亡

中毒量:5kgの犬がミルクチョコレート60gを食べると、嘔吐、下痢などの症状、致死量はその5倍から10倍

<キシリトールガム>

甘味料として使われるキシリトールだが、犬には猛毒。キシリトールガムの種類によって、キシリトールの配合量が異なるので、慌てずガムのパッケージを見て確認しましょう。

低血糖は体重1kgあたり0.1g以上のキシリトールの摂取で生じる可能性があります。ちなみに、キシリッシュフルーツアソート味12粒入りにキシリトールは、なんと7.1gも含まれています。5kgの犬が1粒食べても、中毒を起こす可能性が高いということになります。ちなみに、クロレッツは0.04gしかキシリトールは含まれていません。

摂取後30分〜60分、症状は、(低血糖、低カリウム血症、低リン血症により)虚弱(力が抜ける)や運動失調(歩けない)、痙攣発作(意識が飛んでブルブルガタガタ)。急性肝壊死。

 

 

治療法の紹介

<ねぎ類>

摂取1〜2時間以内なら催吐処置。抗酸化物質(ビタミンCやE)の投与。

その後は摂取量および中毒症状に合わせて治療

<チョコレート>

摂取後胃内に残りやすい物質であることから、摂取後1〜3時間以内であれば、催吐処置および胃洗浄を実施、その後活性炭を投与。すでに吸収されて、痙攣発作や不整脈を生じている場合にはこれに対処。

また脂肪分の多いものに関しては、1〜3日後に急性膵炎を発症することがあるので、綿密な観察や入院管理とする

<キシリトール>

吸収および症状発現が早いため、摂取直後であれば、催吐処置が可能です。症状が出ている場合には、ブドウ糖の静脈内投与、低カリウム血症、低 リン血症への対処および肝臓の保護を行います。